舌癖・指しゃぶりの改善には「タングクリブ」が有効
- 小児矯正
監修歯科医師
京橋院
福原 隆久 先生
子どもにはいろいろな「口腔習癖(こうくうしゅうへき)」が認められます。最もポピュラーなのは「指しゃぶり」ですね。1歳や2歳の頃に指しゃぶりをしている分には良いのですが、それが4歳や5歳になっても残存しているのであれば、何らかの処置が必要となります。ただ、習慣化している指しゃぶりをやめさせるというのは、そう簡単なことではありません。そこで今回は、タングクリブを始めとした舌癖・指しゃぶりの改善方法についてわかりやすく解説します。
▼言葉で理解させるのが一番
子どもの指しゃぶりをやめさせる方法で一番適切なのは、親御さまが言葉でその有害性を理解させることです。いつまでも指しゃぶりをしていることは恥ずかしい、お口の健康にも良くないということをお子さまに言葉で伝えることで、悪習癖を取り除くよう努めましょう。ただ、実際のところはそれが難しいので、どうしようか悩まれているご家庭も少なくないですよね。そんな時は、子どもの歯医者さんである小児歯科を受診しましょう。
▼指しゃぶりを治すための方法
小児歯科では、お子さまが自発的に指しゃぶりを治す方法だけでなく、矯正器具などを用いて半強制的に習癖を除去する方法も行っています。例えば、「タングクリブ」という装置は、どうしても指しゃぶりをやめられないお子さまに適した矯正法といえます。タングクリブというのは、主に「舌突出癖(ぜつとっしゅつへき)」という舌を前方へと突き出す習癖を取り除くのに有効なのですが、指しゃぶりにも改善効果が期待できます。
▼指しゃぶりを放置するとどうなるの?
いつまでも治らない指しゃぶりをそのまま放置すると、歯並びに悪影響が及びます。指をしゃぶっている状態というのは、上の前歯が前方へと傾くような力が加わることから、出っ歯である「上顎前突(じょうがくぜんとつ)」を誘発してしまうのです。逆に、下の前歯は内側への力が加わり、「舌側傾斜(ぜっそくけいしゃ)」という歯列不正を引き起こすため注意が必要です。特に4歳近くやそれ以降にも指しゃぶりが続いていると、骨格性と言って、上の前歯が前に傾くだけでなく、上顎の骨全体が前の方に大きく発達してきてしまうため、後々の歯並び治療が非常に難しくなることがあります。
さらに、指しゃぶりが常態化すると、「開咬(かいこう)」という上下の歯列の間にすき間が生じた不正咬合を招き、口呼吸や口輪筋の弛緩を生じさせることがありますので十分に注意しましょう。いわゆる「お口ぽかん」の状態ですね。
▼まとめ
このように、舌癖や指しゃぶりなどの悪習癖を放置することは歯並びの乱れにもつながりますので、適切な時期に矯正する必要があります。そんな口腔習癖の矯正治療に関しては、「ママとこどものはいしゃさん」の加盟院に相談してみましょう。きっと、有効な治療法を提案してくれますよ。
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