幼児食 ~よく噛んで食べる子になるために~
- 小児矯正
監修歯科医師
新松戸院
森山 貴 先生
子どものころの栄養と食生活は、生涯にわたり健康と生活の基盤となります。
今日は歯科の観点からのお口の成長と合わせて「幼児食」についてのお話です。
最近の小学生は咬んで飲み込むことが苦手な子が増えています。自分の一口の量が把握できておらず一度にたくさんかきこんでしまったり、噛む力が弱いせいで飲み込むまですごく時間がかかってしまったり、ベロがうまく使えないせいで食べ物と唾液をうまくミックス出来ずに最後は汁物で流し込んでしまったりする子は少なくありません。お母さんは子どものキレイに食べ終えたお皿を見て「今日もよく食べている」と思うでしょう。しかし「よく食べていること」と「よく噛めていること」は実は違うのです。
子どもは離乳食から幼児食へと段階を踏みながら少しずつ咀嚼の練習をします。
多くの赤ちゃんが生後5~6か月で離乳食を開始します。下の前歯が生えてきた生後7~8か月の頃には、まだ舌と上あごで押しつぶせるもの程度しか食べられません。それが9~11か月頃なるとまだ奥歯に歯はないのに、その歯のない歯ぐきでつぶすことを覚えます。この頃から咀嚼の練習は始まっているのです。
よく噛んで食べると何がいいのか
そもそもよく咬んで食べるとどんな良いことがあるのでしょうか?
①噛む刺激が脳の活性化につながる…脳に血液・栄養・酸素が行き届き、身体の機能がアップします
②むし歯予防にもなる…よく噛むことで唾液量が増え、自浄作用が上がりむし歯の予防になります
③消化・吸収を促進…食べ物を小さくかみ砕くことによって胃腸で消化吸収されやすくなり、効率よく栄養を摂取出来ます
④将来の肥満防止につながる…よく噛んで食べる癖をつけると満腹感が得られやすくなり、食べすぎ防止になります
よく噛める子になるために
よく噛んで食べる子になるためには、乳歯の生え具合に合わせて食事の段階を進め、咀嚼の経験を重ねることが重要です。1歳頃には手づかみで食べ物を食べたがります。この頃前歯が生えそろうので、やわらかめのものを前歯でかじりとる練習をさせてあげましょう。前歯でかじりとることで、自分のひとくちの大きさを覚えてきます。奥歯は生えるか生えないかくらいの時期なので、歯ぐきでつぶせる固さの食材を選んであげましょう。まだ上手に使えませんが、この頃から食卓にスプーンとフォークを置いておくと1歳6か月~2歳の奥歯が生えそろう頃には使い方をだいぶん覚えてきます。その頃の食事はスプーンですくいやすいようにとろみをつけてあげましょう。3歳頃には乳歯が生えそろい、咬む力は大人の1/2程度になっています。まだ大人と同じものを食べることは難しいですが、食事中に「あーん」してもらって奥歯でしっかりかみ砕けているか見てあげてください。
その子のお口が今、どの段階なのか?うまく咬めているのか不安があれば、是非、“ママとこどものはいしゃさん”に相談しに来てください。
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