3歳からのお菓子選び
- 小児矯正
監修歯科医師
新松戸院
森山 貴 先生
「3歳までのおやつは、甘くないもので」と、親御さんにお話しています。なぜなら、大人にとってのおやつが嗜好品であるのに対し、3歳までのおやつは“補食”の役割が強いからです。3歳までは歯が生えそろっていなかったり、消化管の機能が未発達であったりすることから、一度の食事の量が限られます。そこで、食事だけでは足りない栄養を“おやつで補う”というわけです。
しかし3歳頃からは、家族だけでなくお友達との交流も増えてきます。それまで補食の役割の大きかったおやつですが、社会性を育む一つの重要なアイテムとなる場面も増えてくるでしょう。お友達とおやつのやりとりが出来るようになることは成長の証でもありますが、おかしの量や種類にはやはり注意が必要です。
3歳になったらおやつデビュー
3歳になると、待ちに待ったおやつデビューです。むし歯予防の観点から、おやつに含まれるお砂糖は、スティックシュガー2本分(20ℊ弱)くらいに抑えた方がよいでしょう。2016年、アメリカの心臓病協会が子どもの砂糖の摂取量ついての指針を示しました。その量は、むし歯予防の観点からみた摂取基準とほぼ一致しています。つまり、歯に対してだけでなく、全身の健康のためにも砂糖の摂りすぎは禁物ということです。また、おやつは3歳児で100㎉、4~5歳で150㎉くらいを目安にしましょう。
【砂糖の含有量】
・アンパン1個…35ℊ
・グミ6粒…19ℊ
・ソフトキャンディ2粒…10ℊ
果物の食べすぎには要注意
果物は体に良さそうなイメージがありますが、果物に含まれる果糖は中性脂肪を増やします。しかも、最近の果物は品種改良が進んだことで糖度が非常に高くなってきているため、食べすぎには気をつけたいものです。子どもは大人の約半分で、ミカン一個、バナナ半分、巨峰は3個、イチゴは5個程度を基準にしましょう。
子どもとおやつのルールを決めておきましょう
3歳くらいになると少しずつ社会性を身につけ、子ども同士で遊ぶ機会が増えてきます。1日のうちに食べても良いおやつの量は、あらかじめ、おうちのルールとして決めておいたほうが良いと思います。おやつの内容や量は親が決め、それ以上に欲しいと言ってきたときでも、「今日はもうおしまい」といえる強い心をもちましょう。
“ママとこどものはいしゃさん”では、食育とむし歯予防の観点から子どもの食事にも注目しています。普段の食事やおやつの選び方にお困りの際は、お気軽にお声がけください。きっとお母さんたちの疑問や不安を和らげるお話が出来ると思います。
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