歯磨きガムや歯磨きタブレットについて
- 小児矯正
監修歯科医師
新松戸院
森山 貴 先生
お子さんのむし歯予防にと、歯磨きガムや歯磨きタブレットを使用するお母さんが増えてきています。
それらがむし歯予防に効果を発揮する理由のひとつは、噛む、ベロを動かすといった動作が、唾液の分泌促進につながるからです。唾液には自浄作用といって、口腔内を自然にキレイに洗い流してくれる働きがあります。また、近年は鼻ではなく口で呼吸する子供が増えており、口の乾燥している子どもがたくさんいます。そういう子たちが口を閉じてガムやタブレットを食べることが出来れば、鼻で呼吸することへのひとつのトレーニングにもつながるでしょう。
そしてもう一つ、歯磨きガムやタブレットがむし歯予防につながる理由は、“キシリトール”の働きによるものです。
そもそもキシリトールとは?
最近はテレビや雑誌でも“キシリトール”という単語を目や耳にする機会は多くなりました。そのおかげで「キシリトール=歯にいいもの」という漠然としたイメージが、多くの人の中にあるでしょう。
キシリトールといえばガムの印象が最も強いと思います。しかしそれは、イチゴやカリフラワー、ホウレンソウといった身近な食品にも含まれる、自然界に存在する成分のひとつなのです。日本では1997年から食品添加物としてのキシリトールが認められましたが、実はそれ以前から点滴に含まれる炭水化物として利用されていた歴史があります。
キシリトールの良いところ
キシリトールがむし歯予防につながるといわれるのは、キシリトールが“むし歯の原因にならない”ことと“むし歯の進行を防ぐ”というふたつの働きをもつからです。
まず、キシリトールは砂糖と同じほどの甘さをもちつつも、砂糖と違ってむし歯の原因となる歯垢や酸を作りません。砂糖の代わりにキシリトールを用いることで、甘いのにむし歯になりにくいお菓子にすることが出来るのです。
実は、歯垢や酸を生まない糖はキシリトール以外にも存在します。でも、その中でキシリトールが選ばれるのは、もう一つの“むし歯の進行を防ぐ”と効果を証明されているのがキシリトールだけだからです。むし歯の進行にはミュータンス菌という細菌の増殖を伴います。キシリトールにはこのむし歯菌の増殖を抑制する作用もあるのです。
キシリトールはむし歯予防にとても効果的な成分です。しかし、一番大切なのは歯磨きと正しい食生活です。キシリトールはあくまで補助的なものとして使いましょう。また、「キシリトール入り」と宣伝しているお菓子の中には、砂糖もしっかり入っていて、美味しく味付けしてあるものもたくさんあります。パッケージに騙されないように、成分も確認した方が安心です。
“ママとこどものはいしゃさん”では歯科医院専用のガムやタブレットも取り扱っています。気になる方は来院時にお気軽にお声がけください。
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