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COLUMN 医療コラム

神経のない歯が変色する理由

  • 小児矯正

監修歯科医師

神戸住吉院

中村 元 先生

中村 元 先生


転んだり、何かが強く当たったりした衝撃で、歯の神経が死んでしまうことは、大人でも、子どもでも起こりえることです。そして、神経の死んでしまった歯の多くは、神経のある歯と比べると、少しずつ黒くなってくる特徴があります。また、むし歯で神経を取った歯も、同じように少しずつ変色していきます。

前歯が一本だけ黒いと、どうしても目立ちます。お子さんが何かの原因で歯の神経を失った場合、歯を白くしてあげるには、どのような方法があるのでしょうか。

今回は、「歯の神経と歯の色」について、どのような関係があるのかをお話していきます。

 

歯の構造


 

歯の頭(歯冠)部分は、外側から「エナメル質」「象牙質」「歯髄」という三層構造をしています。

一番外側のエナメル質は、結晶構造をした、とても硬い層です。実は、このエナメル質は半透明で、中の色を透かせて見せています。ですので、歯の色に関わるのは、エナメル質の下の象牙質なのです。

歯髄というのは「歯の神経」と呼ばれている部分になりますが、神経以外にも血管やリンパ管を含んだ組織です。そして歯髄は、象牙質に栄養を与えたり、さまざまな刺激を痛みとして伝えたりと、いろいろな働きをしています。

 

歯の神経が死んでしまうと


 

外傷により歯髄の中で出血が起こったり、むし歯から歯髄内に細菌が侵入して血流量が増加したりすると、歯髄内の圧力が高まり、歯髄が死んでしまいます。そして、死んだ歯髄や血液中の鉄分が、象牙細管という無数の管に入り込み、それが変性して黒くなると、歯自体が変色して見えるのです。

 

子どもの変色した歯への治療法


 

神経をとったことで黒くなった歯を白くするには、加齢や茶渋による変色と異なり、ホワイトニング(歯を漂白する処置)が有効でないため、かぶせ物をする場合が多いです。変色した歯をぐるりと削り、他の健康的な歯に合わせた色の白い歯をかぶせると、とてもキレイになります。また、神経を取った歯はもろくなっているので、かぶせ物をすることで、歯を補強できるというメリットもあります。

しかし、歯を大きく削らないといけませんし、満足できる色に合わせようと思うと、自費になる可能性も高いので、事前に担当医と本人とご家族で、よく相談したほうがよいでしょう。

 

外傷による歯髄死は、外傷直後には判定できないことが多いです。長く経過を見ていく必要がありますので、”ママとこどものはいしゃさん”で定期健診も兼ねて見守っていきましょう。

 

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中村 元 先生

監修歯科医師

神戸住吉院

中村 元 先生

神戸住吉駅前歯科
〒658-0053 兵庫県神戸市東灘区住吉宮町3丁目16−3 グリーンテラス住吉

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