笑気麻酔は子どもにも使える?
- 歯科治療の安全性
監修歯科医師
鹿児島明和院
社本 光央 先生
歯科治療がどうしても苦手、というお子さまは比較的多いものですよね。歯科治療というのは、お口の中というとてもデリケートな部分の施術を伴うことから、不安や恐怖などを覚えても仕方のないことだといえます。ただ、歯医者さんが怖い、あるいは歯科治療が苦手という理由で、虫歯などの病気を放置してしまうのは極めて危険なことだといえますので、できる限り歯科を受診することをおすすめします。その際、笑気麻酔などの鎮静法を活用すると、歯医者さんが怖くなくなるかもしれませんよ。
▼笑気麻酔ってなに?
笑気麻酔とは、一般歯科でよく活用されている鎮静法で、歯科治療恐怖症の方に適したものといえます。亜酸化窒素から成る笑気ガスを吸い込むことで、緊張や恐怖心が和らぎ、リラックスした状態で歯科治療を受けることが可能となります。その名の通り、気持ち良くて思わず笑顔になってしまうのが特徴といえます。
▼体への悪影響は大丈夫?
鎮静法というと薬剤を血管内に直接投与する「静脈内鎮静法(じょうみゃくないちんせいほう)」が有名ですよね。この方法の場合は、処置の前に少し時間を要したり、処置が終わったあとも鎮静効果がしばらく持続したりすることもあります。また、鎮静効果が効きすぎると、全身の循環に悪影響が及ぶリスクもあります。
一方、笑気は酸素と亜酸化窒素から成るガスを鼻から吸い込むだけなので、全身への影響はほとんどありません。処置が終わったあとも速やかにその効果が消失していくというメリットもあります。ですので、笑気麻酔を受ける上で、全身への悪影響を心配する必要はほとんどないといえます。
▼笑気麻酔が行えない人
笑気麻酔は、比較的安全性の高い鎮静法となっていますが、一部の方には適応できないことがあります。例えば、中耳炎や気胸、腸閉塞といった体内に死腔(しくう)が存在している場合は、笑気麻酔を行わない方が安全といえます。また、慢性鼻炎などで常に鼻が詰まっている人も、鼻からの吸入が行えないことから、笑気麻酔の適応から除外されます。
▼年齢制限はある?
笑気麻酔は、基本的に子どもに対しても実施することが可能です。ただ、笑気麻酔は患者さまの協力が必要となる鎮静法であることから、3歳以下のお子さまには適応することが現実的に難しいといえます。
▼まとめ
このように、笑気麻酔は手軽に行えて、鎮静効果も高い施術法ですので、歯科治療が怖い方や不安感の強い方はぜひ活用してみてください。お子さまに対する笑気麻酔に関しては、「ママとこどものはいしゃさん」の加盟院に問い合わせてみましょう。きっと、歯科治療嫌いのお子さまでも安心して施術を受けられる歯医者さんが見つかりますよ。
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