「感染の窓」ってなに?子どもがむし歯になりやすくなる時期について
- 予防
監修歯科医師
箕面院
中島 崇 先生
子どものむし歯を予防する上で非常に重要となる時期があるのをご存知でしょうか?専門的には「感染の窓」と呼ばれるもので、この窓が開く時期にしっかりとしたむし歯予防をするかどうかで、将来的なむし歯のリスクも大きく変わってくるのです。今回はそんな「感染の窓」について詳しく解説します。
▼1歳半から2歳半の時期に開く窓
感染の窓は、乳歯がむし歯にかかりやすくなる時期を意味しています。具体的には、1歳半から2歳半の時期にあたります。この時期には、子どもの歯である乳歯が1本また1本と生えてきて、だんだんと乳歯列が形成されていきます。そのため、半分だけ顔を出している乳歯があったり、歯列全体も不安定な状態であったりするなど、清掃性が低下する時期でもあるのです。そうした環境では、むし歯菌も定着しやすくなりますよね。これが「感染の窓」が開いた状態です。
▼感染の窓を乗り切るとむし歯のリスクが大幅に減少
感染の窓が開く時期に頑張ってオーラルケアを徹底すると、その後はむし歯にかかりにくくなることがわかっています。例えば、あまり歯を磨かなくてもむし歯にならない人がいらっしゃいますよね。そうした人は、そもそもお口の中のむし歯菌が極めて少ない傾向にあるのです。そのため、多少、お口の中が不潔になってもむし歯菌が繁殖せず、むし歯を発症することなくなります。もちろん、歯を磨かなくてもむし歯にならない人は、歯質が強いということもありますが、根本的な原因である「むし歯菌への感染」が起こりにくいケースが大半といえるでしょう。
▼感染の窓は6歳や12歳でも開かれる?
感染の窓というのは、基本的に1歳半から2歳半の時期を指していますが、6歳や12歳でも同じような意味でむし歯への感染に注意する必要があります。6歳は第一大臼歯、12歳は第二大臼歯が生えてくる時期で、いずれも歯がきちんと生えてくるまでは磨き残しなどが多くなってしまいます。ですから、小さなお子さまだけではなく小学校の低学年や高学年のお子さまがいるご家庭でも、引き続きむし歯予防を徹底する必要があるといえるのです。
▼お子さまの歯をむし歯菌から守る方法
1歳半から2歳半の子どもが接するのは、ほぼご家族のみといえます。つまり、感染源はご家族にあることがほとんどなのです。そこで、感染の窓が開かれる時期には、ご家族もしっかりとしたむし歯予防をすることが大切です。また、この時期に限っては、キスなどのスキンシップを極力控えることも重要といえます。
▼まとめ
このように、感染の窓が開かれる時期に、ご家族もしっかりとしたむし歯予防を行うことで、お子さまをむし歯菌から守ることができます。ママとこどものはいしゃさんの加盟院であれば、効果的なむし歯予防法もご提案できますので、まずはお気軽にご相談ください。
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