赤ちゃんは虫歯菌ゼロってホント?
- 歯科トピックス
監修歯科医師
加東院
井上 瑛貴 先生
お子さんの虫歯は、親御さんにとって気懸りなこと。「ママとこどものはいしゃさん」加盟院でも、「気を付けていたのに子供に虫歯ができてしまった」とお悩みの親御さんが日々、相談に来られます。
■子供の虫歯は激減している?
小さいお子さんの歯は弱く、虫歯にかかると大人よりも早いスピードで悪化してしまいます。少し目を離すと、あっという間にひどい状態になってしまいかねません。現代では、ひどい虫歯にかかっているお子さんは昔に比べて少なくなりましたが、地域や個人によって、まだまだ大きな差があるともいわれています。
文部科学省が発表した「学校保健統計調査(2018年12月)」によると、幼稚園に通う子どもで虫歯がある割合は、1972年には90%以上であったものが、2018年には約20%まで減少しています。さまざまな取り組みの成果がでたといえるでしょう。ところが、効果が表れているのは、学校と歯科医院が密接な関係にあるため、歯を磨く習慣づけや、フッ素塗布などの虫歯予防をおこなっている地域や個人に限られます。まだまだ地方の小さな自治体では浸透していないところもあり、お子さんの虫歯は未だに改善されていないケースも多々あります。
■赤ちゃんの虫歯菌はママからうつる?
こんなにも悩みのタネである虫歯。実は、虫歯の原因である菌は、そもそも生まれたての赤ちゃんのお口の中に存在していないことを、ご存知でしょうか?
虫歯の原因菌の代表格ともいえるミュータンス菌は、生まれたての赤ちゃんのお口には存在していません。離乳食が始まったころ、ママをはじめ、赤ちゃんのお世話をする周りの大人から感染することがほとんどです。3歳になったころには、ほとんどのお子さんが保菌者となっています。日常生活を送りながら虫歯菌がうつらないようにするのは非常に難しいこと。できるだけ移さないように配慮し、もし移ってしまったとしても、発症させないで減らしていくように努めましょう。
■赤ちゃんを虫歯菌から守るために
大人が使ったお箸やスプーンで、赤ちゃんに食事を与えるのは止めましょう。コップや食器も共有にしてはいけません。虫歯菌がうつってしまいます。タオルや歯ブラシの共有も同様に危険です。赤ちゃんが使うものは、しっかり消毒してあげるようにしてください。
口移しでたべさせるのは、もってのほかですが、熱いものをフーフーと冷ます行為だけでも虫歯菌がうつることがあります。
鍋ものを集団でつつく行為だけでも、虫歯菌や歯周病菌が移ります。大切なお子さんのお口に虫歯菌が増えないように、周りの大人が配慮してあげましょう。
■妊娠中にお口のケアをしておきましょう
赤ちゃんが生まれてから慌てることがないように、妊娠中に歯科検診を受けるなどして、お口のケアを行いしょう。少しでも、お口の中の菌を減らしておくことで、感染のリスクを軽減します。妊娠中は体調の問題もあり、なかなか歯科医院への通院は難しいかもしれませんが、妊娠5カ月~8カ月の安定期でしたら、歯科治療を受けても問題ありません。
「ママとこどものはいしゃさん」グループの加盟院では、0歳からの歯科検診を行っています。ぜひ、お近くの医院を探してみてください。
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