予防歯科って何をするの?
- 予防
監修歯科医師
森田 健太郎 先生
近年、予防歯科に注目が集まっています。
以前は病気になってから歯科医院に行く方が多かったのですが、近年では、自宅でのケアに加えて定期的に歯科医院へ健診やクリーニングに行く方が増えてきました。
今回は、予防歯科とはなんなのか、どのようなメリットがあるのか、そして一般的な予防歯科の内容についてまとめました。
▼注目されている『予防歯科』とは
予防歯科とは、歯が痛くなったり、歯周病がひどくなってから歯科医院にかかるのではなく、定期的に歯科健診やクリーニングを受け、むし歯や歯周病などを未然に防ぐことを目的とした治療のことです。
予防歯科は、欧米では既に浸透しているところが多いです。
日本でも2012年に、厚生労働省が予防歯科推奨の基本的事項の制定など、予防歯科の重要性が認められてきました。
▼予防歯科のメリット
・病気を未然に防ぐことができる
予防歯科に通うことで、むし歯や歯周病になるのを未然に防ぐことが出来ます。
また、むし歯や歯周病になってしまったとしても初期の段階で発見し対処ができます。
・歯を長持ちさせることができる
歯が一度悪くなってしまうと元通りにはなりません。
病気を未然に防ぐことで、生涯にわたって自分の歯で噛むことができ、健康的な食生活が可能です。
・治療費を安く抑えられる
治療費に比べると、定期健診に通うほうが総合的に治療費を抑えられるという統計データがあります。
▼予防歯科って何をするの?(予防歯科の流れ)
・歯ブラシの仕方、むし歯や歯周病のチェック
まず最初に、お口の状況の確認をします。患者さん自身が歯磨きをし、その後に染め出し液を使用し、歯垢が見える状態にし、磨き足りない部分を見てもらいます。
このような磨き残しがある部分が、むし歯や歯周病の原因となるので、この結果を見つつ、日々の歯磨きを見直し、歯科衛生士から指導を受けます。
またこの時に、口腔内のむし歯や歯周病の有無をチェックします。
・歯石とバイオフィルムの除去
日々の歯磨きでは落とすことが難しい歯垢や歯石、歯と歯の間と歯周ポケットなどに溜まる、粘性の細菌集合体(バイオフィルム)を専用の機械で除去を行います。
普段の歯磨きではケアが難しいところも含めて、徹底的に口腔内をクリーニングし、むし歯や歯周病の原因となる歯垢と歯石を除去することにより、口腔内を清潔に保ち、細菌の繁殖を抑えます。
・表面を研磨とフッ素塗布
先ほどの歯石やバイオフィルムの除去に使用した超音波の専用の機械で汚れを落としたばかりの歯は、表面がざらついており、そのままの状態にしておくと、歯垢や細菌が付着しやすくなります。それを防ぐために、歯の表面を磨きます。
その後、研磨剤を使ってこれを落とします。PMTCを終えたばかりの歯は、フッ素がとても浸透しやすい状態になっておりますので、仕上げにフッ素を塗布することで、歯の再石灰化が促進されて、歯の表面が強くなり、むし歯や汚れから歯を守ります。
フッ素の塗布によって、むし歯予防の効果は高まります。この後に、30分から1時間ほど時間をおいて、フッ素コーティングを定着させた後にうがいをして、終了となります。
●仕上げに使うフッ素の効果
・歯の再石灰化を促す
・むし歯の原因菌の働きを弱め、歯垢が生産する酸の量を抑える
・歯の表面を歯垢が生産する酸に対して溶けにくい性質に修復する
▼今から始める「予防歯科」で8020を
世界的にも予防歯科で歯医者さんに通っている人は自分の歯が残っている、というデータがあります。一生、自分の歯で食事を楽しめるように今から予防歯科を始めてみませんか。
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