歯髄って何?歯髄がなくなるとどうなる?
- 歯科トピックス

歯は硬いエナメル質で覆われた構造を持っていますが、その内部には「歯髄(しずい)」と呼ばれる組織があります。
歯髄は、歯の神経や血管が集まった部分で、歯に栄養を供給し、刺激を感じ取る役割を持っています。
歯髄があることで、歯は健康な状態を維持できますが、何らかの理由で歯髄を失うと、歯の寿命が短くなる可能性があります。
この記事では、歯髄の役割や、歯髄を失うと歯にどのような影響があるのかについて詳しく解説します。
■ 歯髄の役割とは?
・歯に栄養を供給する
歯髄は、酸素や栄養を歯の内部に供給する役割を果たします。
歯が健康に機能するためには、歯髄が適切に栄養を届けることが必要不可欠です。
・歯を守る防御機能がある
歯が外部からの刺激を受けると、歯髄は歯を保護しようとします。
例えばむし歯が進行して象牙質がダメージを受けると、歯髄が新しい象牙質を作ることで歯を修復しようとします。
・痛みを感じて異常を知らせる
歯に異常が起こると、歯髄が痛みを感じて体に異常を知らせる役割を果たします。
痛みがあることで、歯に問題があることを自覚できるのです。
■歯髄がなくなるとどうなる?
・歯がもろくなる
歯髄がなくなることで、状態としては枯れ木が歯槽骨に植わっているような状態となります。
強く噛んだり、硬いものを食べたりする際に歯が割れてしまうリスクが高まります。
歯の寿命は神経がある時に比べて10年程度も短くなるといわれています。
・歯の色が変わる
歯髄がなくなると、歯に栄養が行き渡らなくなるため、時間の経過とともに歯の色が灰色や茶色っぽく変色することがあります。
これは、歯の内部の組織の循環がなくなりごみのようなものがたまることで起こる現象です。
・根の先で感染が起こる
歯髄が失われると、細菌が歯の根の先に侵入しやすくなります。その結果、根の先に膿がたまり、根尖性歯周炎という病気になることがあります。
噛むと鈍い痛みを感じたり、違和感があったりする場合は注意です。
歯槽骨に広く炎症が及び、蜂窩織炎などの重大な病気につながることがあります。
・定期的な歯科検診を受ける
歯の内部に異常があっても、初期の段階では自覚症状が少ないことが多いため、定期的な歯科検診が重要です。
歯科検診では、むし歯の有無や歯髄の状態をチェックできるだけでなく、歯石の除去やフッ素塗布などの予防処置を受けることもできます。
歯と歯の間のむし歯は気づかないまま深くなりやすいため、定期検診を受けることで早期発見・早期治療が可能になります。
・正しい歯みがきを習慣づける
フッ素入りの歯磨き粉を使用し、歯の隅々まで丁寧に磨きましょう。
特に、歯と歯の間や歯肉の境目にプラークがたまりやすいため、歯ブラシの毛先をしっかりと当てて磨くことが大切です。
・むし歯を放置しない
むし歯が進行すると、歯髄まで感染が広がり、歯髄を取り除く治療が必要になります。
むし歯は自然に治癒することはないため、早期に治療を受けることが大切です。
・歯に強い衝撃を与えない
歯をぶつけたり、強く食いしばったりすることが多いと、歯髄にダメージとなることがあります。
スポーツをする際には、マウスガードを使用するなどして、歯を守ることが重要です。
また、歯ぎしりの習慣がある人は、夜間にマウスピースを装着することで、歯への負担を軽くできます。
■まとめ
歯髄は、歯に栄養を供給し、痛みを感じることで異常を知らせる大切な役割を持っています。
歯髄を失うと歯がもろくなり、寿命が短くなる可能性が高まります。
歯髄を守るためには、正しいケアと早めの治療が必要です。
定期的な歯科検診を受け、むし歯を早期に発見することで、歯髄を健康な状態に保つことができます。
ママとこどものはいしゃさんグループでは、こどもの歯の健康を守るためのアドバイスを行っています。
こどもの頃から歯髄を含めたむし歯予防をしたい方は、お気軽にご相談ください。
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