辛い肩こりや頭痛…原因は噛み合わせ!?
- 歯科トピックス
監修歯科医師
鹿児島明和院
社本 光央 先生
マッサージやストレッチをしても解消されない肩こりや原因不明の片頭痛で、お悩みの方も多いのではないでしょうか。
その不調、もしかすると噛み合わせが悪いために起こっているのかもしれません。
今回は、意外と知らない噛み合わせの影響や原因、治療法についてご紹介します。
▼そもそも『噛み合わせ』とは?
『噛み合わせ』とは、上下の歯がどのように接触しているのか、をいいます。
左右上下の歯に力が均等にかかり、周辺の筋肉や関節に負担がかからない状態を「噛み合わせが良い」と言います。
元々の歯並びが悪い場合や歯を失った場合には、噛むバランスが崩れ「噛み合わせが悪い」状態になります。
しかし、噛み合わせが完璧な人はほとんどいないと言われています。
▼噛み合わせの悪さが招く体の不調
口内だけでなく、全身への不調に繋がる噛み合わせ。特徴的な症状をいくつかご紹介しましょう。
1.頭痛
片方だけで噛む場合に起こりやすい不調が、頭痛です。
噛み癖のある側がすり減ると、歯の高さが左右で異なります。
この僅かなズレが、顎の関節から頭の横に繋がる筋肉「側頭筋」を緊張させ、頭痛を発生させる原因に。
2.肩こり
首から肩にかけて広がる筋肉「広頸筋」。
噛み合わせが悪い場合、この筋肉が過度に緊張してしまいます。そのため血行が悪くなり、肩が凝りやすくなるのです。
3.耳鳴り
噛み合わせの悪さから、あごが後方へズレることも。そのため、耳の管が下あごの一部分に圧迫され、耳鳴りを発生させてしまいます。
4.歯周病
上下噛み合っていない歯があると、特定の歯のみ負担が倍増。過度な力を加え続けると歯の根元は徐々にゆるみ、歯と歯茎に隙間ができてしまいます。
この隙間に歯石が溜まると歯石の中で歯周病菌が増殖し、歯周病のリスクが増大するのです。
5.顔のゆがみ
噛み合わせが悪いと正しい咀嚼がしづらく、片方だけで噛むように。
その結果、いつも使う筋肉と使わない筋肉が出てくるため、バランスが崩れて顔がゆがんでしまいます。
鏡を見た際、自分の顔が左右でゆがんでいると感じる方は、要注意です。
▼あなたは大丈夫?噛み合わせが悪くなる原因
日常の習慣やむし歯治療時の詰め物など、噛み合わせが悪くなる原因はいくつかあります。
1.習慣・癖
片側噛みや頬杖、うつぶせ寝などの癖は、噛み合わせを悪くします。また睡眠中の歯ぎしりは、歯がすり減ることでズレを生じさせるため、噛み合わせに大きな影響を及ぼします。
無意識に行われるため自力での改善は困難ですが、マウスピースで抑制できます。
2.もともとの歯並び
子どもの頃は筋肉が柔らかいため、噛み合わせに大きな影響は出ません。
しかし、成長と共に骨格や筋肉が変化することでバランスが崩れ、歯茎やあご周辺に症状が現れます。歯並びが原因の場合、矯正治療や部分矯正での治療が可能です。
3.詰め物や被せ物
むし歯治療の際に使用する詰め物や被せ物は歯と硬さが違うため、すり減り方が違います。
特に奥歯が合わない場合、噛み合わせだけでなく顎関節に膨大な負担がかかることも。
▼放置厳禁!悪い噛み合わせ
「噛み合わせに違和感があるけれど、これくらい大丈夫」と放置しておくと、口内だけでなく全身に不調を及ぼす可能性も。気になる方は歯科医院で、診察を受けてみては。根本治療をめざしましょう。