安心な治療のために!器具の滅菌・消毒と使い捨てについて
- 歯科治療の安全性
監修歯科医師
京橋院
福原 隆久 先生
院内感染のリスクが高いからこそ…器具の扱いが肝心
あなたは、歯科医院が院内感染のリスクが高い場所だと知っていますか?お口の中を治療する際、血液やだ液は必ず飛散しています。これらが何らかの形で体内に入りこむことで、感染症を引き起こすのです。そこでママとこどものはいしゃさんでは院内感染を防ぎ安心できる治療を行うために、治療器具の滅菌・消毒や使い捨てを心がけています。今回のブログでは、普段なかなか知る機会のない滅菌・消毒をしている治療器具と使い捨ての治療器具について、ご紹介します。
滅菌とは
滅菌とは、病気の原因である細菌が死滅している状態を指します。ピンセットやバキュームなど患者様のお口に直接入れる治療器具は特に感染リスクが高いので、専用の器具でしっかりと滅菌しなければ安全な治療は実現しません。しかし数年前に日本では、多くの歯科医院で歯を削る治療器具「タービン」が滅菌されることなく使い回されていることが報道されました。現在では治療ごとに滅菌を行う歯科医院も増加していますが、手間とコストが多くかかるため、全ての歯科医院で実施されている訳ではないのが現状です。日本人が歯を失う原因の主な理由である歯周病の原因は、細菌。歯周病の患者様を治療したタービンを使い回すことで、新たな歯周病患者が増加する可能性もあります。歯科医院で新たな病気に感染したくない方は、ホームページやパンフレットで「タービンの滅菌」についてチェックしてみましょう。また、どんなに器具を滅菌してもそのままにしていては、再び汚染される可能性が。そのため、滅菌された治療器具はパックに詰められ、治療時にはじめて開封されています。
滅菌されるもの
タービン、バキューム、ピンセット、ミラーなど、主に治療の際使用する器具
患者様のお口の中に入る、使い捨てではないもの全て
消毒とは
病気の原因である細菌を害のない程度まで減らすことを、消毒と言います。具体的に歯科医院内の消毒は、患者様が直接触れる部分に行われています。例えば、治療で使用するイスやテーブル。歯科治療の際、目には見えていなくても血液やだ液は必ず飛散しています。なので、治療が終わると丁寧に拭き上げ消毒し、次の患者様をお迎えしているのです。また、レントゲンやCTも撮影時に手で触れるため、使用ごとに消毒を行います。歯科医院の中には院内で使用するスリッパを消毒している歯科医院もありますので、気になる方は一度注目してみましょう。
消毒されるもの
レントゲン、CT、イス、テーブル、待合室のイス、スリッパ、手すり、トイレなど
使い捨てとは
血液に触れるものは滅菌・消毒だけでは感染症を完全に防ぐことが困難です。そのため、歯科医院では治療ごとに使い捨てされているものも数多くあります。例えば、切開や抜歯の際に使う注射針。消毒や止血に使うガーゼなども、もちろん使い捨てが徹底されています。また、歯科医師や歯科衛生士が身に着けているゴム手袋やマスクも、治療ごとに使い捨て。患者様が使用するコップは以前まで滅菌・消毒されていましたが、近年では多くの歯科医院が使い捨てできる紙コップを採用しています。
感染症予防は安心できる治療の大前提
今回のママとこどものはいしゃさんポータルサイトブログでは、歯科医院で使用されている器具について紹介しました。知っているようで知らないものもあったのではないでしょうか。気になる方は受診の際、器具にも注目してみてください。