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COLUMN 医療コラム

妊娠・出産時は歯周病になりやすい?妊娠性歯肉炎について

  • 歯科トピックス


妊娠すると悪阻によって歯が磨きにくくなった結果、むし歯や歯周病のリスクが高くなるだけではなく、ホルモンバランスの変化によって妊娠性歯肉炎になる可能性もあります。

近年、妊娠性歯肉炎は、単なる歯肉の炎症だけではなく、歯周病菌によって早産のリスクが高くなることがわかってきました。

今回は、妊娠性歯肉炎についてお伝えしていきます。

▼妊娠性歯肉炎とは


妊娠性歯肉炎とは、妊娠5~20週目くらいから歯茎が赤く腫れたような状態になり、出血することもある症状です。

症状が特に強まるのが妊娠32週目ごろで、口臭や口内炎の他、むし歯にもなりやすくなります。

これらはエストロゲンやプロゲステロンといった女性ホルモンが大きく関わっていると言われています。

歯周病の原因となる女性ホルモンは妊娠初期から週ごとにホルモンレベルが上がっていくので、妊娠中期から後期にかけて、妊娠性歯肉炎が起こりやすくなります。

▼歯周病と早産との関係性


近年、歯周病菌が全身にさまざまな影響を及ぼすことが明らかになっており、妊娠性歯肉炎になっている妊婦は早産のリスクが7倍ほど高くなることが指摘されています。

これは歯周病によって起きた炎症が血液を介して全身にひろがることにより起こると言われています。


早産になってしまう原因は、母体の健康状態や喫煙習慣など色々な要因が考えられますが、その中に子宮などの感染症があります。


歯肉炎によって生じた物質に、子宮を収縮させて出産を促してしまう物質も含まれています。そのため早産を引き起こしてしまうことがあるのです。


これに合わせ、妊娠中は妊娠性歯肉炎により、歯周病が起こりやすい状態になります。歯周病は早産のリスクになるにもかかわらず、妊娠中になりやすいという大きな問題を抱えています。



▼妊娠中でも出来る歯周病予防


歯周病の予防は、お口のケアをしっかりして、定期的に歯科医院で見てもらうことですが、妊娠中だと難しいかと思います。


そこで妊娠中でも出来る歯周病予防の方法をいくつか紹介します。


・体調が落ち着いているときに歯を磨く


つわりが酷かったり、体調が悪く歯が磨けない妊婦さんはたくさんいらっしゃいます。そんなときは無理せず、落ち着いたときに歯を磨くようにこころがけましょう。


・歯を磨けないときはうがいを頻繁にする


それでも、歯を磨けない場合は、うがいを頻繁にしましょう。大きな汚れは勢いよくうがいをすることで落ちますし、口が乾いて歯周病のリスクが高くなることも予防できます。


・安定期に入ったら歯科医院を受診する


安定期に入ったら歯科医院を受診し、歯石除去などの歯周病のケアや自分にあった歯ブラシの仕方などを教えてもらうと良いでしょう。



▼妊娠中から出産後も通える歯医者さんを見つけましょう!


妊娠性歯肉炎や早産のリスクなど、歯周病は多くのリスクを抱えています。

しかし、妊娠する前から定期的な歯科検診を受け、歯周病やむし歯を予防し、口腔内を洗浄し、口腔内に歯垢が存在しない清潔な状態に保っていれば、そもそも歯肉炎にはならず、もし発症したとしても軽い症状ですみます。

ここでしっかりと治療をしなければ、出産後に歯周病が重症化する可能性もあります。

また出産後の話にはなりますが、母親にむし歯がある子供と、ない子供を比較すると、圧倒的に母親にむし歯がある子供のむし歯発生率が高くなっています。

将来を見据えて、むし歯や歯周病をしっかり治し、予防することが将来の子供の為にもなりますので、非常に大事なことなのです。

ママとこどものはいしゃさんでは、妊娠中のママさんの対応も可能です。ぜひ近くの医院に相談してみてください。

 

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