子どもの歯の発育に悪影響を及ぼす病気
- 予防
監修歯科医師
鹿児島明和院
社本 光央 先生
子どもの歯の発育には、いろいろな病気が悪影響を及ぼしかねません。
それはお子さま自身の病気だけではなく、お母さまの病気も関係していきます。
今回はそんな子どもの歯の発育に悪影響を及ぼす可能性のある病気についてわかりやすく解説します。
▼先天性風疹症候群
まだ赤ちゃんがお腹の中にいる時期に、お母さまが風疹にかかると「先天性風疹症候群(せんてんせいふうしんしょうこうぐん)」という病気を発症することがあります。
これはお母さまがかかる病気ではなく、生まれてきたお子さまがかかる病気です。
この病気では、全身にかなり重篤な症状が現れるのですが、その一つとして歯の発育や形成不全をもたらすことがあるため注意が必要です。
風疹と聞くと、誰もがかかる一般的な病気のように思われがちですが、妊娠期にかかることでお腹の赤ちゃんに致命的な異常をもたらしかねないのです。
▼ダウン症候群
ダウン症候群は、知的障害などを伴う重症な病気です。
染色体に異常が生じることで発症するのですが、歯の発育にもいろいろな問題が生じます。
最も重たい症状としては「歯の先天欠如」です。
生まれた時から歯が生えてこないことが決まっている異常で、小さい頃から入れ歯のような装置を装着せざるを得なくなります。
それから歯のサイズが小さい「矮小歯(わいしょうし)」や形態の異常を伴う「円錐歯(えんすいし)」など、いろいろな発育異常が認められます。
▼妊娠中の歯科治療は大丈夫?
ここまで、妊娠中や生まれてきてからの歯の発育異常について簡単に説明してきましたが、いずれも母体に何らかの原因が認められることが多いです。
そう聞くと、妊娠中の歯科治療は赤ちゃんの発育に悪影響を及ぼさないか不安に感じる方も出てくることでしょう。
確かに妊娠の時期によっては、歯を抜いたり、特別な薬剤を使用したりする歯科治療は避けた方が良いといえます。
けれども、定期検診や必要と判断されたレントゲン撮影などは、特別大きな健康被害が生じる可能性も低いといえます。
むしろ、妊娠期間中に一切歯科医院を受診しない方がいろいろなリスクも上昇しやすくなりますので、何か異常や気になることが生じたら、気軽に歯科を受診しましょう。
▼まとめ
このように、お母さまの身体の状態によって生まれてくるお子さまの歯や身体の発育が害されることもあります。
それだけに、妊娠期間中の生活習慣や体調の管理には十分気を付けましょう。
妊娠期はホルモンバランスの変化により歯肉炎を生じやすく、また時期によっては奥歯を磨くことが困難なこともあります。
事前に、もしくは安定期の段階で口腔内のチェックやクリーニングを行うことはいかがでしょうか。
妊娠期間中に注意すべき習慣や積極的に行うべきオーラルケアなどについて詳しく知りたい方は、「ママとこどものはいしゃさん」の加盟院までご連絡ください。
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