子どもの歯髄炎の治療法について
- 歯科トピックス
子どものむし歯は進行が早いのは有名な話ですよね。小ささなお子さまがいらっしゃるご家庭では、気付いたらむし歯が重症化していた、という経験をされた親御さまも多いことかと思います。重症化したむし歯では、歯の神経の治療が必要となるのですが、子どもに関しては大人と少し異なる点があります。今回はそんな子どもの歯の神経の治療について、わかりやすく解説します。
▼歯の神経の治療とは
歯の神経の治療とは、いわゆる根管治療と呼ばれるものです。比較的進行度の浅いむし歯は、細菌感染がエナメル質や象牙質にとどまっています。そうした状態であれば、汚染された歯質を削って詰め物や被せ物を装着することで治すことが可能です。一方、むし歯が進行すると歯の神経まで侵されてしまいますよね。そうなると感染した歯の神経を抜き、根管内もきれいに滅菌する必要が出てくるのです。その際、行われるのが歯の神経の治療である根管治療です。
▼乳歯は無理に治す必要がない?
乳歯のむし歯は早期に発見し、できるだけ早い時期に治療を開始することが大切です。子どもの歯はいつか大人の歯に生え変わるから、と放置することだけでは絶対に避けましょう。けれども、重症化した乳歯のむし歯では、無理に根管治療を行わないこともありません。なぜなら、永久歯への悪影響を考慮して、できるだけ早く抜歯をした方が良いケースもあるからです。
▼乳歯のむし歯が永久歯にうつってしまう
例えば、感染性の歯髄炎を起こした乳歯は、すぐ下に控えている永久歯にむし歯菌をうつしてしまうことがあります。そんな乳歯のむし歯を根管治療していても、悪い結果を招くだけです。そのため、数週間から数ヶ月かかる根管治療は行わず、抜歯をするケースも多々あります。
▼生活歯髄切断法
乳歯の根管治療には、永久歯にはない特別な処置法も存在しています。それは「生活歯髄切断法(せいかつしずいせつだんほう)」と呼ばれるものです。これは感染を起こした歯髄の上の部分だけを切断して、下の部分を保存する治療法です。歯根部の歯髄が保存されることで、乳歯の歯根の形成が正常に進んでいきます。その結果、永久歯との交換も適切に行われるようになるのです。永久歯の歯の根の治療で、生活歯髄切断法と似たものに「アペキソゲネーシス」や「アペキシフィケーション」というものがありますが、適応症や手順などは少し異なります。
▼まとめ
このように、乳歯の根の治療は、大人の根管治療とは異なる部分が多々あります。いずれにせよ、年齢に応じた治療を受けることが大切です。お子さまのむし歯にお困りの際は「ママとこどものはいしゃさん」の加盟院までご相談ください。
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