1. ホーム  > 
  2. 医療コラム

COLUMN 医療コラム

割れると虫歯を引き起こす「中心結節」の対処法

  • 予防

監修歯科医師

長尾駅前院

南 康彦 先生

南 康彦 先生


私たちの歯には、それぞれの歯の種類で特有の構造物がみられることがあります。それは子どもの歯である乳歯に特有のものもあれば、大人の歯である永久歯特有のものもあります。そうした構造物のほとんどは、歯磨きがしにくくなるなどのデメリットしかないのですが「中心結節(ちゅうしんけっせつ)」と呼ばれるものは少し異なります。そこで今回は中心結節の対処法についてわかりやすく解説します。

▼中心結節とは


中心結節とは、咬合面という噛む部分に生じる突起のようなもので、下顎の第二小臼歯と呼ばれる歯に最も多く発現します。ですから、お子さまの小臼歯が生えた時には、そのような突起がないか一度確認してみましょう。もしも中心結節が認められたら、いくつか気を付けなければならない点が生じます。

▼中心結節は割れやすい


中心結節というのは、咬合面に見られる突起ですので、噛み合う歯と接触しやすくなっています。そのため、中心結節は小さいころに破折してしまうケースが珍しくないのです。余分な突起であるのなら、破折しても構わないのでは?と思われるかもしれませんが、それは大きな間違いといえます。なぜなら、中心結節の破折の仕方によっては、歯の内部にまで容易に細菌が侵入しやすくなるケースがあるからです。

▼割れた部分から虫歯になる


ケースにもよるのですが、中心結節がみられる歯の中には結節の中にまで歯の神経が存在していることもあります。専門的には「歯髄腔(しずいくう)」と呼ばれる空間ですね。そうしたケースでは中心結節が割れることで歯髄に炎症を起こしたり、虫歯菌への感染を容易に引き起こしたりするものなのです。短期間で歯の神経が死んでしまうほど進行するのも、この病態の特徴といえます。せっかく生えてきたお子さまの永久歯が、思春期が終わる前に死んでしまうなんて、とても残念なことですよね。そこでおすすめしたいのが中心結節への歯科的な対応です。

▼中心結節へと対処


中心結節は、とくに異常がなければ経過観察することも珍しくありません。ただ、この先、中心結節が割れる恐れがある場合は、突起となっている部分をていねいに削ったり、レジンなどを充填することで割れにくくしたりするなどの処置を施すこともあります。いずれにせよ、中心結節がある場合は「ママとこどものはいしゃさん」の加盟院まで一度相談してみましょう。

▼まとめ


このように、中心結節のトラブルというのは、多くのケースで生えたばかりの時期に起こりやすいので、適切な処置が必要です。お母さまやお子さまご自身が中心結節を発見するのは難しい場合もありますので、定期的に歯医者さんに診てもらうことが大切です。

「ママとこどものはいしゃさん」加盟院の検索はこちら
南 康彦 先生

監修歯科医師

長尾駅前院

南 康彦 先生

あゆみ歯科クリニック長尾
〒573-0163 大阪府枚方市長尾元町5-21-6長栄ビル1F

この記事をシェアする