小児矯正と成人矯正の違い
- 小児矯正
監修歯科医師
小林 崇将 先生
矯正治療は、大きく小児矯正と成人矯正の2つに分けることができます。
専門的には第一期治療と第二期治療と呼ばれることもありますが、この2つにはどのような違いがあるのでしょうか。
今回は、小児矯正と成人矯正の違いについてお伝えしていきます。
▼小児矯正とは6歳〜14歳ごろに行われる矯正治療
小児矯正とは、その名の通り子どもである「小児」が受ける矯正治療ですね。
一般的には、大人の歯と子どもの歯が入り交ざった混合歯列期に治療を開始し、大人の歯が生え揃う時期まで行います。
最初の永久歯が生えてくるのが6歳くらいなので、大体小学校に上がるくらいにはじめ、14歳ごろまでには終わります。
▼小児矯正は顎の発育を管理する治療
意外に誤解されている方も多いのですが、小児矯正では歯並びを細かく整えていくような治療は行いません。マルチブラケットを用いたワイヤー矯正は、基本的に実施されないのです。
小児矯正で行うことは「顎の発育の管理」です。
例えば、上の顎の骨の発育が悪くて、歯を並べるためのスペースが不足しそうな症例を考えてみましょう。
こういったケースでは「狭窄歯列弓(きょうさくしれつきゅう)」と呼ばれる異常を引き起こし、歯並びがバラバラとなる乱ぐい歯の原因ともなり得ます。
そこで、小児矯正では顎の骨の幅を広げる処置を施すことで、将来歯並びが悪くなるのを防ぐのです。
その他、顎骨の前方への成長を促したり、逆にそれ以上成長しないように抑制したりすることもあります。
いずれも顎の発育を矯正治療によってコントロールするのが主な目的となります。
▼成人矯正とは
成人矯正とは、成長が完了した状態で歯並びを整える治療法のことです。
成人矯正とは、大人が受ける矯正治療ではありますが、厳密には顎の発育が完了した時点で受けることが可能です。
そのため、人によっては中学校や高校から第二期治療である成人矯正を開始することもあります。
▼成人矯正は歯並びを細かく整える治療
成人矯正は、いわゆるワイヤー矯正によって歯並びを細かく整えていきます。
この点は、小児矯正との大きな違いといえますね。
最近ではマウスピース型の矯正装置も普及しており、必ずしもワイヤーやマルチブラケットを装着が必要というわけではなくなりました。
そういう意味では、成人してからでも矯正治療を受けやすくなったといえますよね。
ただし、骨格的な異常をダイナミックに改善するには、やはり第一期治療である小児矯正から始めるのがベストといえます。
▼まとめ
このように、小児矯正と成人矯正にはいくつかの点で大きな違いがあります。
そもそも治療の内容や目的が大きく異なることから、その違いを意識した上で矯正を開始する時期を決定する必要があります。そんな小児矯正と成人矯正の違いについてさらに詳しく知りたい方は「ママとこどものはいしゃさん」の加盟院までご相談ください。
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