保隙装置ってなに?
- 小児矯正
監修歯科医師
京橋院
福原 隆久 先生
子どもの歯科治療では、保隙装置(ほげきそうち)というものを使用することがあります。なんだかよくわからない名前の装置ですが、子どもの歯や歯列の発育を正常に進めるには、極めて重要なものといえます。今回はそんな保隙装置についてわかりやすく解説します。
▼乳歯が早期に脱落することの弊害
私たちの歯は、生えてくる順番がある程度決まっています。それは乳歯も永久歯も同じです。とくに乳歯は抜け落ちる時期も決まっていることから十分な配慮が必要であるといえます。例えば、本来抜け落ちる時期よりもずっと早くに乳歯が抜け落ちたらどうなるでしょうか。私たちの歯は、隙間があるとそれを埋めようと移動を始めることから、抜け落ちた歯のスペースは徐々に閉鎖されていってしまいます。その結果、次に生えてくる永久歯のスペースがなくなってしまうのです。そこで有用なのが保隙装置ですね。
▼スペースを維持するための装置
保隙装置とは、乳歯の早期脱落によって生じた隙間を維持するための装置です。レジンや金属製のワイヤーから構成されており、かぶせ物にワイヤーやプレートがついた形のものや、入れ歯のような形をしたものがあります。ただ、入れ歯型の方も歯の機能を補うためのものではないことから、装着感は比較的良好です。取り外しも自由に行うことができます。
▼正常な歯並びを作り上げるために
実は、乳歯の早期脱落に対しては、入れ歯型の保隙装置以外にもさまざまなものが用意されています。具体的には、ディスタルシューやクラウンループ、バンドループといった装置が存在し、それぞれのケースに応じて活用されます。これらが、かぶせ物にワイヤーやプレートがついた形のものです。なぜそんなにもたくさんの装置が開発されているかというと、やはり乳歯の早期脱落によって生じたスペースは、絶対に維持しなければならないからなのです。正常な歯並びを作り上げるためには、歯を並べるためのスペースをしっかり確保することが大切です。
▼歯の交換時期は専門家でなければわからない?
冒頭でも述べたように乳歯や永久歯には、それぞれ生えてくる時期と抜け落ちる時期がある程度決まっています。それをしっかりと見極められる患者さまはまずいないといっても過言ではないでしょう。一般歯科の歯医者さんでも怪しいくらいです。そこで頼りとなるのが「ママとこどものはいしゃさん」の加盟院の歯医者さんです。小児歯科治療の専門家であれば、乳歯が生えてくる時期、抜け落ちる時期も良く知っているので、不安を感じたらすぐに相談してみましょう。場合によっては、経過観察で済むこともありますよ。
▼まとめ
このように、保隙装置は乳歯の早期脱落症例で、非常に大きな力を発揮してくれるものです。その他にも、いろいろな症例に適応できる装置も存在していますので「乳歯が早く抜け落ちたかも」と思われたら「ママとこどものはいしゃさん」の加盟院までご連絡ください。
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