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COLUMN 医療コラム

キシリトールガムで虫歯予防できる?

  • 歯科トピックス


TVCMなどで耳にすることも多いキシリトールガム。虫歯予防に効果がありそうなイメージが浸透しています。ガムを嚙むだけで虫歯予防ができるなら、とても楽チンな印象です。特に、おやつが大好きなお子さんにとっては、とても嬉しいことでしょう。

「ママとこどものはいしゃさん」にお越しになる患者さんも質問されることがある「キシリトールの摂取によって、本当に虫歯予防の期待ができるのか…?」という疑問ですが、結論からいうと、摂取の仕方によります。噛み方によって、キシリトールの効果は大幅に変わるのです。ここでは、効果的なキシリトールの摂取方法を紹介します。

■「キシリトール」って何のこと?


「キシリトール」という呼び方は日本特有で、海外ではザイリトールという発音で通っています。

元々、椛の木から発見された成分「キシリトール」。自然由来の食品なので、いちご、ラズベリー、ナス、ほうれん草、カリフラワー、レタスなど、親しみ深い果物や野菜にも含まれています。しかしながら、自然界に存在するキシリトールは非常に微量です。そこから虫歯予防の効果が期待できるほどのキシリトールを摂取するのは、困難を極めます。

「キシリトール」は、FAO(世界食料農業機関)、WHO(世界保健機関)、合同食品添加物専門家委員会(JECFA)といった公的機関で、安全性が高い食品添加物として承認されています。安全な食べ物ではありますが、一度に大量に摂取してしまうと、下痢の症状を引き起こすことがあるため要注意。虫歯予防の効果が見込めるからといって、決められた量を超えて食べすぎることのないように気をつけましょう。

■「キシリトール」は、どんな虫歯予防効果があるの?


「キシリトール」がもたらす虫歯予防の効果は、お口の中の虫歯菌を減らしたり、ほんの初期の段階の虫歯に侵された歯を再生させたりする「歯の再石灰化」の効果が期待できます。摂取の量やタイミング次第ともいえるので、きちんと計画に沿って採り入れることが必要です。

キシリトールは、白樺や樫の木などが含んでいる天然成分を原材料として作られます。砂糖の主な成分であるスクロースに比べると、同レベルの甘みがありながらカロリーは4割程度も低いとあって、ダイエット食品としても優れています。

■どんなガムを選べばいいの?


キシリトール配合と書かれたガムは、近ごろたくさんありますが、選び方がたいへん重要です。

含有甘味料の50%以上が「キシリトール」であることが重要。これよりも含有量が低いと、せっかく食べても虫歯予防の効果が期待できるほどのキシリトールは摂取するのが難しいといえます。市販されているキシリトールガムは、それほど含有量が高くないことがほとんどなので、気を付けてください。

品質的にも安心して摂取できるのは、歯科医院だけが取り扱っているキシリトールガムです。キシリトール100%であることが多く、虫歯予防には適しています。

■いつ、ガムを噛めばいいの?


キシリトールガムを噛むのに適しているタイミングは、食後30分以内。食事をすると、虫歯菌はお口の中に残った糖やタンパク質をエサとして取り込んで増加し、歯を溶かす酸をつくります。そこで、食後にキシリトールガムを噛むと、虫歯菌がエサになる糖分の代わりにキシリトールを取り込むことになります。糖と異なり、キシリトールはいくら取り込んでも歯を溶かす酸は作ることができないので、虫歯菌は死滅することになります。

食後30分以内といわず、食事が終わったらできるだけ早くキシリトールガムを噛む方がおすすめです。

 

もっと詳しく知りたいときは、「ママとこどものはいしゃさん」グループの加盟院に相談を!ぜひ、お近くの医院を探してみてください。

 

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