虫歯の痛みがおさまった!?放置するとキケン!
- 歯科トピックス
監修歯科医師
三木院
小林 崇将 先生
「虫歯が痛み出した…気が進まないけど歯医者さんに行かなくちゃ!」と思って焦っていたのに、「あれっ?突然痛みがなくなった…」そんな経験はありませんか?
そうなってしまうと、「痛くなくなったから、歯医者さんに行かなくてよくなった」と思ってそのまま放置してしまう方もいらっしゃるのではないかと思います。
しかし、それは非常にリスクの高い対応です。なぜ痛みがなくなったのでしょう…?その理由によっては、後でたいへんなことになる可能性があるのです。
■悪化すると一時的に痛みがなくなることも
一時的に虫歯の痛みを感じなくなったとしても、それは虫歯が治ったからではありません。歯は、一度悪くなったら自然治癒することがないので、痛みがなくなったから「治ったかも…?」というのは都合のよすぎる解釈ということになります。
なぜ痛みがなくなるのか?という理由ですが、「とことん悪化したから」という可能性が高いでしょう。
虫歯は進行していくと、まずは歯の表面のエナメル質が溶け出します。エナメル質の次の層である象牙質まで進行すると、冷たい飲物などが沁みるようになります。さらに進行すると神経まで達し、我慢できないほどの激痛に襲われることになります。この段階になっても治療する時間がなくて我慢していると虫歯がどんどん進行し、神経が壊死して痛みを感じなることがあります。
つまり、治ったというのは大きな勘違いで、逆にひどくなりすぎて痛みを感じることさえなくなくなった段階ということです。
■ 治療して痛みが止まっても放置はNG
虫歯が神経まで達して激痛におそわれると、歯科医院に慌てて駆け込む人が増えます。そこでおこなう治療は、まずは痛みを取り去ることを優先した応急処置。神経を抜くこともありますので、一時的に痛みを感じにくい状態になります。
神経を抜くような根本的な治療を始めると、数回にわたる通院が必要になりますが、「痛みがなくなったから、もういいや」と考えて歯科医院へ通わなくなってしまう方が少なからずいらっしゃいます。
「痛くなくなったから大丈夫」と、気軽な考えで、治療の途中であるにもかかわらず歯科医院に通うのを止めてしまうのです。
しかし放置してしまうのは、非常にリスクが高い行為。痛みがなくなったから治療が終わるのではなく、応急処置が済んだだけ。本格的な治療は、これから始まるのです。
■なぜすぐに治療が終わらないの?
「痛くないのに、どうして何回も通院しなければならないの?」と疑問に思う方もいるかもしれません。
虫歯が神経まで達してしまい、神経を抜く処置を始めると、神経を抜いたらそれで終わりというわけにはいきません。まず、歯の神経が入っている歯の根は、とても繊細な管なので、神経を取り除いたあとの掃除をしっかりしておくことが重要です。高い治療技術を必要とする治療でし、1度きりの治療で簡単に終わるものではないのです。
もし、この作業を中途半端にして放置してしまうと、虫歯が再発し、せっかく残せた天然歯を抜かなければならない状態に陥ってしまうことも…。また、歯の根に菌が入り込んで炎症を起こし、再び激痛に襲われる事態にもなりかねません。細菌に感染すると、深刻な全身疾患を引き起こすこともあるので注意が必要です。
痛みがおさまったからといって放置せず、最後までしっかり治療を受けるようにしてください。困った時は、「ママとこどものはいしゃさん」グループの加盟院に相談を!ぜひ、お近くの医院を探してみてください。
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