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舌癖がこどもの歯並びに与える影響とは

  • 歯科トピックス
舌癖がこどもの歯並びに与える影響とは

こどもの歯並びに影響を与える要因はさまざまですが、その中でも舌癖は特に重要です。

舌癖とは、舌を前に押し出す、上下の歯の間に挟む、片側だけで動かすなどの舌の癖のことを指します。

これらの習慣が続くと、歯並びや噛み合わせに影響が出て、将来的に矯正治療が必要になることもあります。

さらに、発音の問題や食事のしづらさを引き起こすこともあり、生活全般に問題が出ることも少なくありません。

この記事では、舌癖がこどもの歯並びに与える影響、原因、改善方法について詳しく解説します。


■舌癖がこどもの歯並びに与える影響

・出っ歯

舌を前に押し出す癖があると、上の前歯が前方に押され、出っ歯の原因になります。

特に乳歯から永久歯に生え変わる時期に舌の癖が続くと、歯が前方に傾いた状態で生えてしまうことがあります。

長期間に渡って力がかかり続けると、骨の成長にも影響することがあります。


・受け口

下の歯を舌で押す癖がある場合、下の前歯が前方に突出し、受け口の原因になることがあります。

特に下顎は骨格が変わってしまうと矯正治療が難しくなります。

特に遺伝的に下顎が大きい場合、舌癖が悪化するとさらに状態が進行する可能性があります。


・開咬

舌を前に出す癖や、舌を上下の歯の間に挟む癖があると、前歯が噛み合わない状態になりやすくなります。

開咬になると、食べ物をしっかり噛み切れなかったり、サ行やタ行が言いにくくなり、発音トレーニングが必要になることもあります。


・叢生

舌の力が歯に長期間かかると、歯が押されて動き、歯並びがガタガタになることがあります。

顎の成長に影響があって、口の中のスペースが適切に保たれないと、永久歯が正しい位置に生えにくくなるケースも見られます。


■舌癖の原因

・乳児期の指しゃぶりやおしゃぶりの影響

指しゃぶりやおしゃぶりを長く続けると、舌の位置が低くなり、舌を前に出す癖がつきやすくなります。

特に3歳を過ぎても続く場合は、舌癖を引き起こす可能性が高くなります。


・舌の筋力の弱さ

舌の筋力が弱いと、正しい位置に舌を保持できず、舌を前に押し出す癖がついてしまいます。

離乳食の時期に十分に噛む習慣をつけることが、舌の筋力を鍛えるのにつながります。


・口呼吸の影響

口呼吸の習慣があると、舌の位置が低くなり、舌癖につながることがあります。


■舌癖を改善するための方法

・舌の正しい位置を覚える

舌の正しい位置は、上の前歯のすぐ後ろの「スポット」と呼ばれる位置に舌先をつけ、舌全体を上顎に軽くついている状態です。

この位置を意識することで、舌を前に出す癖を防ぐことができます。


・口周りの筋力を鍛える

舌や口の周りの筋肉を鍛えることで、舌の正しい位置を維持しやすくなります。

口を閉じたまま舌を上顎に押し付ける、舌を左右に動かす、ガムを噛んで口周りの筋肉を鍛えるといった方法が効果的です。


・口呼吸を改善する

口呼吸が続くと、舌の位置が下がり、舌癖につながることがあります。

鼻呼吸を意識し、口を閉じる習慣をつけることが大切です。

鼻づまりがある場合は、耳鼻科を受診して原因を特定しましょう。


・歯科医院で専門的な指導を受ける

舌癖が原因で歯並びに影響が出ている場合、歯科医院で指導を受けることが大切です。

舌のトレーニングを取り入れながら、歯並びの改善を進めることができます。


■まとめ

舌癖は、こどもの歯並びに大きな影響を与える習慣の一つです。出っ歯や受け口、開咬などの原因になることがあり、放置すると将来的に矯正治療が必要になる可能性があります。

舌癖を改善するために、舌の正しい位置を意識し、口周りの筋肉を鍛えましょう。

早い段階で適切な対応をすることで、きれいな歯並びを守ることができます。


ママとこどものはいしゃさんグループでは、子どもの歯の健康を守るためのアドバイスを行っています。

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