歯周病が進行するとどうなる?
- 歯科トピックス
歯周病が進行するとどうなる?
妊娠中はお口の中の環境が乱れやすくなり、出産後は子育てで忙しく、ママのお口のケアが十分にできないことがあります。
そのため、歯周病になってしまうママも少なくありません。
今回は、歯周病が進行するとどうなるかお伝えしていきます。
■歯周病のリスク
歯周病は、虫歯と並び歯を失う二大原因の一つです。
歯周病菌に罹患すると、歯茎から出血したり、口臭が臭くなったりし、歯周病の繁殖が進んで、炎症が深刻化すると歯茎を溶かして、歯が抜け落ちてしまいます。
その過程では、痛みや出血なども伴い、食べ物を思うように噛めなくなることもあります。
歯茎からの出血が気になる時、口臭が気になる時には早めに歯科医での診療を受けましょう。
適切にケアをすることで悪化を防ぎ、歯を失うリスクを抑えることが可能です。
■歯周病の予防と治療
歯周病の原因となるのは、歯に付着した細菌の塊である歯垢で、プラークとも呼ばれます。
そのため、歯周病の予防と歯周病になった際に進行を抑えたい場合には歯垢の除去が何より大切です。
歯周病治療では、正しいブラッシングによるセルフケアと歯科医院で行う専門的なプロフェッショナルケアが基本になります。
歯垢の除去のことをプラークコントロールと呼び、セルフケアが不可欠です。
ブラシの毛先が当たらないとプラークは除去できません。
歯科医院で正しいプラークコントロールの方法の指導を受け、毎日欠かさず実践していきましょう。
プロフェッショナルケアでは、専用の機器を使って表面の歯垢と歯石を取り除くスケーリングが行われます。
また、歯の表面に歯石がこびりついている場合や毒素や微生物で汚染されている場合にはルートプレーニングが行われるのが一般的です。
■歯周病が進行した場合
歯周病が進行すると歯がぐらぐらしていき、やがて抜けてしまうこともあるので進行を止めなくてはなりません。
揺らいでいる歯で噛むと負担がかかるため、負担を軽減するために、歯を削るなどして噛み合わせの調整をが行われることがあります。
それでも噛みにくい場合には、歯科用の接着剤で隣の歯と接着してぐらつきを抑えることもあります。
■外科的治療
歯と歯肉の間には歯肉溝と呼ばれる溝があり、通常は溝の深さは1~2mm程度です。
ここに細菌の塊である歯垢が溜まると、歯肉が炎症を起こして腫れてしまい、溝が深くなってしまいます。
深くなった溝のことを歯周ポケットと呼びます。
プラークコントロールでは、歯周ポケットの深さが改善されない場合、ポケットの深さを減少させる手術が必要な場合もあるため、早期発見・早期治療が大切です。
プラークコントロールや手術により、ポケットの深さが2~3mm程度に改善されれば、定期検診による経過観察へと移行します。
■8020運動を意識しよう
8020運動とは、80歳になる時点で自分の歯を20本保とうという取り組みです。
成人の歯は、基本28本、親知らずがある場合は最大で32本あります。
歯が欠損する二大原因は虫歯、歯周病です。
そのほか、事故などのケガで欠損することもあります。
高齢になるにつれ歯の本数が減り、入れ歯をする人も増えますが、年齢を重ねると歯が抜けるのではなく、それまでの間に虫歯や歯周病が原因で歯が抜ける場合や抜歯をしないといけない状態になっています。
逆に言えば、毎日歯磨きを正しく行い、生活習慣や食習慣などにも気を配り、定期的に歯科医院に通って定期検診を行い、虫歯や歯周病ができても早期発見、早期治療を行えれば、歯を失うリスクを軽減させることが可能です。
■歯を失う人は多い
28本あるうち80歳で20本なんてたやすいと思っていませんか。
若い時は8本も抜けるなんてありえないと思い、余裕で20本、それ以上残せると思われるかもしれません。
ですが、厚生労働省による歯科疾患実態調査によれば、40代に入ると歯を失う人が増え、60代ですでに20本に減る人が多いとのデータが出ています。
虫歯は年代を問わず発症しますが、歯周病のリスクは40代前後から高まるため、歯を失う人が増えるので注意が必要です。
歯周病は歯磨きの仕方だけでなく、喫煙や過度なアルコール摂取などの生活習慣により、口腔内の衛生環境が悪くなることも影響するため、中高年層は注意しなくてはなりません。
近年では、若い世代の歯周病も増えており、20代で70%の方が罹患しているとも言われています。
初期段階ではほとんど自覚症状がないため、生活習慣が乱れ、丁寧なブラッシングを怠っている人などは歯科医院で定期検診を受けるなど予防対策を採っていきましょう。
■まとめ
歯周病のリスクは40代前後から増加しますが、妊娠や子育ての時期はママが歯周病にかかりやすい時期でもあります。
早めのチェックや相談が健康な歯を守ります。
「ママとこどものはいしゃさん」の加盟院では、ママの歯周病に関する相談も受けていますので、気になる方はお気軽にご相談ください。
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