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歯根破折って何?

  • 歯科トピックス
歯根破折って何?

歯根破折とは何か?について徹底解説します


歯を失う原因になるというと、虫歯、歯周病というイメージがあるかもしれません。

しかし、実はこれら以外にも歯を失うリスクとなり得る状態があります。

それが歯根破折です。

なかなか聞きなれない名前かもしれませんが、放置しておくと怖い状態です。

今回は、歯根破折についてお伝えしていきます。



歯根破折とは何?

歯根破折は、「しこんはせつ」と読み、名前の通り歯の根っこが折れたり割れたりする病気です。

歯の根は骨の中に埋まっているため、直接目で確認することは難しいので、なかなか気付かないことが多くなっています。

そのため、レントゲンで判断されることが多い病気です。


割れ方や進行度に応じて、水平破折、垂直破折などいくつかのパターンに分類されており、それぞれに原因や治療法が異なります。

歯根破折の症状はさまざまにあります。

噛むと痛んだり染みたりするような違和感がある場合は、歯の根にひびが入っている時によく見かける症状の一つです。


また、歯周病のように前後の歯に比べ歯茎が腫れたり膿んできたりすることもあります。

差し歯が取れやすくなっている場合も歯根破折になっている可能性が高いです。

歯の根が割れることで土台が抜け落ちてくると抜けやすくなるためです。


このほか、完全に割れてしまっていると激痛が走ることも多いです。

こういった症状が出てきて初めて歯科クリニックに行って検査した結果、歯根破折になっていたということがあります。

ちなみに、実は歯の根が割れていたりひびが入っている状態でも痛みを感じなかったり、無症状でまったく気付かないというケースもあります。



歯根破折になってしまう原因

歯根破折は、物理的な原因で起こり得ることが多いです。

歯はエナメル質や象牙質と呼ばれる層で保護されているので、耐性が付いているのですが、それでも限界があるものです。

ある程度の強い圧力が加わってしまうことで歯の根がポキっと折れてしまいます。


たとえば、硬いものを無理やり噛んでしまうなど、1回の圧がかかったことで歯根破折が起きる可能性もありますが、ほとんどの場合は歯ぎしりや食いしばりなどのように継続的に圧力が加わることで歯根破折に発展することもあるのです。

また、虫歯治療の際に歯の神経を抜いた場合に関しては、そのせいで歯が脆くなってしまうので歯根破折を起こしやすくなります。

つまり、外傷や歯ぎしり、虫歯治療によって歯根破折になる可能性が高くなるのです。

神経まで抜いたことがある方や普段から歯ぎしりや食いしばりがある方は要注意です。


歯根破折になってしまうと、破損した部分から細菌が入り込むことになるので、歯茎に腫れや痛みが生じることがあるため、先ほどご紹介したような激痛などの症状や腫れが出てしまうのです。

予防方法としては、噛み合わせを改善したり、歯ぎしりを防止したり、硬いものを食べる際に十分に気を付ける必要があります。



歯根破折になってしまった場合の対処法

一般的には、歯根破折になってしまった場合は抜歯が必要です。

歯の根元が折れてしまう状態なので修復が難しいためです。

この場合は、抜歯してしまった後にブリッジやインプラントを入れるという方法になることもあります。


インプラントの場合は、歯の土台を歯茎に埋め込んで、その上に人工歯を被せることから噛み心地もより自然で違和感がありません

食事の際や会話でも支障がほぼないことから、抜歯しか手段がない場合はインプラントを検討されるのが良いでしょう。

ただし、予算などの問題もあるので、どのような人工歯を使うかについては、歯科医とよく相談されることをおすすめします。


ちなみに、歯根破折になってしまったら、絶対に抜歯しなければならないのでしょうか。

実はそうではありません。

状態によっては、抜歯しなくても済むケースもいくつかあります。


たとえば、破折の程度がまだ軽度の状態で、さらに歯髄での感染リスクも低い状態であれば、できるだけ抜歯せずに歯を保存しながら直す治療も現在の歯科業界では行われています。

歯科クリニックによっては、感染源を徹底的に取り除いたうえで、破折した部分を完全に密閉するような形で治療できることがあるのです。

口腔内で根幹治療を行ったうえで接着をして、歯を保存する口腔内接着法、破折した歯を抜歯してしまい、感染部を取り除くことや歯科用接着剤で復元処置をしたうえでまた再植し直すという口腔外接着法といった方法があります。



まとめ

いかがでしたか。

歯根破折はあまり耳したことがある病気ではないかもしれませんが、ひどい虫歯治療をされたことのある方、食いしばりや歯ぎしりのひどい方、硬いものをよく好んで食べられる方はリスクのある病気です。

無症状の場合もありますので、たとえば食いしばりがある方はできるだけナイトガードなどを作って予防する、硬いものは避けるか気を付けるようにするといった日頃の行動も大切です。

神経を抜いたことがある方はリスクがありますので、定期的に歯科検診に通われるのも一つでしょう。


「ママとこどものはいしゃさん」の加盟院では、歯根破折に関する相談も受けていますので、気になる方はお気軽にご相談ください。


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