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乳歯の黒ずみはむし歯?それとも着色?

  • 予防

子どもの歯は、大人の歯と異なる点が多々あるので、親御さまはいろいろと戸惑うことも多いかと思います。永久歯であれば異常なことも、乳歯では正常であることが珍しくないからです。ただし、歯の表面に黒い点が生じたら、それはむし歯と考えられます。そこで今回は、乳歯の表面に現れる異常についてわかりやすく解説します。

▼乳歯の黒い点


乳歯の表面に、ごく小さな黒い点が生じているのであれば、それはむし歯が発生していると考えられます。食べ物や飲み物の着色によって、そのような部分的な黒ずみが生じることはないからです。そのため、乳歯の表面に黒い点が認められた時点で、歯医者さんを受診しましょう。

▼複数の歯に渡る黒ずみは?


歯が1本ではなく、複数に渡って黒ずんでいる場合は、ほとんどのケースで単なる着色といえます。むし歯がそれだけ広範囲に、しかも短期間で広がることはあり得ないからです。ただし、乳歯というのは永久歯よりむし歯になりやすく、その進行も早いです。そのため、「ランパントカリエス」という例外的なむし歯もあることを知っておいてください。ランパントカリエスとは、子どもに起こりやすいむし歯で、1本ではなく複数本に病変が認められます。重症度の高いケースでは、すべての乳歯がむし歯になっていることもあります。

▼歯の白色病変について


乳歯の表面に、黒色ではなく白色の病変が現れることもあります。最も一般的なのは、「初期う蝕」です。まだ発生して間もない虫歯で、歯の表面に穴はあいていません。表層下脱灰(ひょうそうかだっかい)という特殊な現象が起こっているだけなので、症状は歯面の白濁のみです。この段階であれば、乳歯であっても歯を削らずに治療することができます。フッ素塗布を行って、歯の再石灰化を促しましょう。

歯の白色病変には、石灰化不全が原因のものもあります。エナメル質の石灰化が正常に進まず、白く濁ったような症状を呈するものです。これに対しては、フッ素で症状が改善することはありません。また、形態異常を伴うことも少なくないので、審美面を改善するのであれば、セラミック治療などを受けるのが一番です。ただそれは、あくまで永久歯の話であって、乳歯の石灰化不全は、積極的に治療をする必要はないといえます。数年後には永久歯と交換されるので、それまではむし歯に注意しながら、しっかりケアしていきましょう。

▼まとめ


このように、子どもの歯には、黒い点や白斑など、色調に関するいろいろな異常が生じることがありますので、気になった場合は「ママとこどものはいしゃさん」の加盟院に相談しましょう。それぞれに最適といえる治療法を提案してくれることかと思います。

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