1. ホーム  > 
  2. 医療コラム

COLUMN 医療コラム

乳歯のむし歯の被せ物

  • 歯科トピックス


小児歯科と一般歯科とでは、いろいろな点において診療が異なります。乳歯と永久歯とでは、構造などがそもそも異なるので、治療法が変わるのも理解できるかと思います。例えば、比較的進行した虫歯に対しては、乳歯の場合「乳歯冠(にゅうしかん)」という補綴物が用いられることがあります。今回はそんな乳歯冠の特徴やメリット、デメリットについてわかりやすく解説します。

▼乳歯冠とは?


乳歯冠とは、その名の通り乳歯に用いられる被せ物です。被せ物というと、歯の型取りを行って模型を作り、技工士さんにクラウンなどを製作してもらうのが一般的です。けれども、乳歯冠の場合は治療プロセスが少し異なります。乳歯冠は別名「既製冠(きせいかん)」と呼ばれることがあるように、既製品を使って被せ物を製作するのです。

▼既製品を使うので即日装着できる


乳歯冠による治療では、もともと被せ物の形をした銀歯を使うので、その日に治療を完了させることが可能です。これは乳歯冠による治療の大きなメリットといえるでしょう。小さなお子さまは、長い治療時間に耐えられないことも多いため、即日治療が完了するというのは非常に有益といえます。ただし、その反面デメリットも存在することも忘れてはいけません。

▼乳歯冠のデメリット


乳歯冠のデメリットは、歯質との適合性が低いという点です。やはり、歯の型取りをして精密に作った被せ物と比べると、適合性は劣ります。基本的に乳歯冠では、プライヤーなどの器具を使って形態を調整します。その適合性は歯医者さんの技術によって大きく変わってくることから、場合によっては虫歯の再発も起こりやすくなってしまうのです。また、レジンやセラミックなどを選ぶことができないので、審美性は自ずと低下します。とはいえ、小さなお子さまに適応される補綴物なので、そこまで審美性にこだわる必要はないといえます。

▼歯を削る量が少ない


乳歯冠で虫歯治療を行う場合は、通常の被せ物治療よりも歯を削る量が少なく済みます。これは歯髄までの距離が短い乳歯にとって、非常に都合の良いことといえます。同時に、被せ物そのものが薄くなってしまうことから、強い力で噛むと穴が開いてしまうというデメリットもあります。これらの特徴は表裏一体のものといえます。

▼まとめ


このように、子どもの虫歯に適用される乳歯冠にはメリットとデメリットが存在していますので、それらを踏まえた上で治療を選択する必要があります。どのようなケースで乳歯冠が適しているのかは「ママとこどものはいしゃさん」の加盟院までご相談ください。小児歯科治療に精通した歯医者さんが適切なアドバイスをしてくれることかと思います。

「ママとこどものはいしゃさん」加盟院の検索はこちら

この記事をシェアする