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COLUMN 医療コラム

授乳とお口の健康との関係

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赤ちゃんのお口の中というのは、基本的に軟らかい組織しか存在していませんよね。頬の内側、歯茎、唇、舌など、すべてが粘膜によって覆われています。ですから、ママのおっぱいを吸うときも何ら問題が生じることはないのです。けれども、歯の異常によっては授乳そのものが困難となるケースもあることを知っておいてください。そこで今回は、授乳が困難となる歯の異常についてわかりやすく解説します。

▼生まれた時から歯が生えている


一般的に、生まれてきたばかりの赤ちゃんには歯が生えていません。最初の乳歯が生えてくるのが生後半年以降なので、当然といえば当然ですよね。ただ、赤ちゃんによっては生まれたときから歯が生えている場合もあるのです。これを専門的には「先天歯(せんてんし)」といいます。歯が早く生えてくる分にはメリットの方が大きいように思えますが、実際はその逆です。出生時や新生児期に歯が生えていると、リガフェーデ病のようないくつかの異常が生じることがあるのです。

▼リガフェーデ病とは?


リガフェーデ病とは、先天歯が原因で生じる褥瘡性の潰瘍です。先天歯によってお口の中の粘膜にダメージが及び潰瘍を形成するのが特徴です。強い痛みを伴うことから、おっぱいを吸うことすらままならなくなるケースも珍しくありません。これが授乳を困難とさせる歯の異常の代表ですね。もしもその状態を放置すると、十分な量のおっぱいやミルクを摂取することができなくなり、栄養失調となっています。ですから、先天歯があり口腔粘膜に潰瘍が生じているようなケースでは、すぐに「ママとこどものはいしゃさん」の加盟院を受診しましょう。お口の中の状態に応じた最適といえる処置を施してくれますよ。

▼先天歯の対処法について


お口の健康を害する先天歯であれば、積極的な治療を施すことになります。リガフェーデ病のように、お口の粘膜を傷つけているケースでは、先天歯の表面を少し削ったり、レジンでコーティングしたりするなどの治療を施します。それでも改善されないような場合は、先天歯を抜歯することも珍しくありません。ちなみに、先天歯というのは本来生えてくるはずのない「過剰歯」であるケースも珍しくないので、抜歯したとしてもその後おおきな障害が生じることも少ないといえます。

▼まとめ


このように、赤ちゃんの歯の異常の中には授乳を困難にさせる深刻なものもありますので、軽く考えない方が良いといえます。ただ、赤ちゃんが自ら歯の異常やお口の異常を訴えることはありえないので、普段からお母さまがしっかり観察してあげることが大切です。そして、少しでも異常や気になる点が認められたら、すぐに小児歯科の歯医者さんに相談しましょう。

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