歯科治療で注意すべき全身の病気
- 歯科治療の安全性
子どもには、生まれ持って抱えているいろいろな病気があるものです。そうした全身疾患というのは、軽症なものから重症なものまでさまざまですが、場合によっては歯科治療中に配慮が必要となることもあります。そこで今回は、歯科治療中に特別な配慮が必要となる全身の病気についてわかりやすく解説します。
▼体温調節が難しい病気
子どもが生まれ持って抱えている病気の中には、体温調節が困難なものがあります。具体的には「無汗型外胚葉異形成症(むかんがたがいはいよういけいせいしょう)」と呼ばれる病気で、その名の通り汗腺の数が極端に少ないことから、汗をかきにくくなるのです。発汗というのは、身体の熱を逃がすために生じる現象なので、それが起こりにくいということは、体温の調節が困難ということになりますよね。こうした病気では、歯科治療という短時間の処置においても、体温が上がり過ぎないように配慮する必要があります。
▼無意識な動きが多い病気
脳性まひのように、無意識な動きである「不随意運動」が多いケースでは、歯科治療中の大きなトラブルが起こり得ることから十分な配慮が必要となります。例えば、歯をドリルで削っている時に大きく動かれたらどうなるでしょうか。歯を不用意に傷つけるだけではなく、場合によっては口腔内や顔面に大きな外傷を引き起こすこととなります。ですから、そうしたケースでは事前に不随意運動が起こりにくい薬を飲んでもらったり、歯科治療を受ける態勢を工夫したりするなどして対応します。
▼首の骨が脱臼しやすい病気
日本人の先天性疾患としても比較的多いダウン症では、強い力がかかると首の骨が脱臼しやすい傾向にあります。頸椎の脱臼はとても深刻な症状を引き起こすことがあるため、できるだけ回避する必要があります。とくに、子どもの場合は治療事態に非協力的となることも少なくないので、ケースによっては全身麻酔下で虫歯治療や抜歯治療を実施することもあるのです。もちろん、軽度の虫歯のような比較的軽い処置であれば、通常のユニットチェアで処置を施しますよ。
▼大学病院には特別な診療科がある
ここまで、歯科治療において特別な配慮が必要となる先天性の全身疾患について解説してきましたが、そうした子どもの治療を専門に行う診療科というのが大学病院にはあります。特殊歯科とか障害者歯科という名前で診療を行っていますので、気になる方は主治医に聞いてみましょう。
▼まとめ
このように、特別な全身の病気がある場合は、事前に歯医者さんに伝えておく必要があります。「ママとこどものはいしゃさん」の加盟院であれば、そうしたお子さまの歯科治療もしっかり行えるところがたくさんありますよ。
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