子どもの歯の形成不全について
- 予防
むし歯や先天性の病気によって、歯の発育に異常が生じることがありますが、実際にどのような症状が現れるのか、よくご存知ない方も多いのではないでしょうか。例えば「歯の形成不全」というものがありますが、これは子どもの歯でも大人の歯でも起こり得るトラブルです。そこで今回は、歯の形成不全についてわかりやすく解説します。
▼歯の形成不全とは
歯の形成不全とは、主にエナメル質の石灰化不全を指します。歯の一番外側を覆っているエナメル質が正常に石灰化されず、歯の形がいびつになったり、色がおかしくなったりするものです。ただでさえ未成熟な子どもの歯に形成不全が生じると、咀嚼機能が妨げられるだけでなく、むし歯のリスクも高くなります。そういう意味で、子どもの歯の形成不全は極めてデメリットの大きい歯の異常といえます。
▼象牙質形成不全症
子どもの歯の形成不全には、象牙質形成不全症というものもあります。これは骨形成不全症という全身の病気の一症状として認められることが多いです。骨形成不全症とは、その名の通り全身の骨が正常に発育しない病気です。骨がもろくなるので、骨折しやすいのも大きな特徴のひとつです。ちなみに、象牙質も基本的には骨と同じ成分で成り立っていることから、骨形成不全症で象牙質の異常が認められます。
▼早期に歯を失うことが多い
エナメル質にしろ、象牙質にしろ、形成不全を伴っている場合は、早い段階で歯を失ってしまうことが多いです。その結果、歯列に欠損が生じ、そしゃく機能に障害が発生します。ですから、まだ子どもであっても失った歯を入れ歯などで補うことも珍しくないのです。
▼乳歯のむし歯が原因の形成不全
実は、乳歯のむし歯が原因で、永久歯に形成不全が生じることもあります。専門的にはターナー歯と呼ばれるもので、エナメル質の石灰化不全が主に見られます。生えてくる前から永久歯に異常が生じてしまうのは、あまりにも残念なことですよね。ですから、乳歯のむし歯というのは、絶対に放置してはいけないものといえます。例え軽度であったとしても、すぐに歯医者さんに診てもらいましょう。進行度が浅ければ、歯を削る量も最小限に抑えられますし、治療に伴う痛みも少なく済みますよ。
▼まとめ
このように、子どもの歯の形成不全は、いくつかの原因によって生じるものです。大人の形成不全は、乳歯のむし歯など、後天的な原因から発症することも多いので、小さい頃の口腔ケアはしっかり行うようにしましょう。そうした歯の発育異常に不安がある方は「ママとこどものはいしゃさん」の加盟院までご相談ください。
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