子どもの歯が溶けるのはむし歯だけじゃない?
- 予防
「歯が溶ける」というと、ほとんどの方はむし歯を思い浮かべますよね。人体で最も硬い組織であるエナメル質まで溶かしてしまうのですから、むし歯というのはとても恐ろしい病気です。けれども実は、歯が溶けるのはむし歯だけではないのです。とくに子どもの歯というのは、大人の歯よりも歯質が軟らかく、外からの刺激を受けやすくなっています。そこで今回は、子どもの歯がむし歯以外で溶ける原因をわかりやすく解説します。
▼歯質は酸刺激に弱い
歯はダイヤモンドがまぶされたドリルでしか削れないほど、丈夫な組織です。けれども、酸に対しては極体に弱い性質を持っています。それはむし歯菌が産生する酸に限られたことではありません。例えば、酸性度の強いお酢やレモン汁などを口に含んでいると、歯の脱灰がどんどん進んでいきます。その結果、歯が溶けていくのです。もちろん、お酢やレモン汁をお口の中に含み続ける人はいませんが、実は皆さんが想像する以上に、私たちは酸性度の高い食品を毎日口にしているのです。
▼スポーツドリンクに要注意
例えば、夏場はたくさんの汗をかくことから、スポーツドリンクを頻繁に飲んでいるお子さまも少なくありませんよね。熱中症や脱水症状を予防するという観点において、それはとても素晴らしいことといえますが、むし歯予防の観点からは、非常に危険な習慣といえます。なぜなら、スポーツドリンクをはじめとした清涼飲料水は、酸性度が比較的高いからです。そのため、スポーツドリンクを頻繁に口にしている人は、「酸蝕症(さんしょくしょう)」と呼ばれる症状が現れることがあります。
▼酸蝕症とは?
酸蝕症とは、その名の通り酸によって歯がむしばまれていく病気で、子どもの歯でも起こり得ます。むし歯のような細菌感染が原因で発症する病気ではないのですが、歯が溶けていくことに変わりはありません。ですから、酸蝕症が進行すると、象牙質や歯の神経までむき出しとなってきます。その結果として、むし歯を併発するケースも珍しくありません。とくに子どもの歯は大人の歯よりも溶けやすい性質を持っているので、親御さまが十分に配慮してあげることが大切です。多くの場合は、食生活をはじめとした生活習慣が原因となることから、子どもだけで管理するのは困難といえます。
▼まとめ
このように、子どもの歯が溶け出したら、それはむし歯ではなく酸蝕症かもしれません。正直、その違いを一般の方が区別するのはなかなか難しいため、気になる症状が認められたら「ママとこどものはいしゃさん」の加盟院に連絡しましょう。精査したのち、適切な治療を施してくれますよ。
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