子どもにフッ素塗布しても安全?
- 予防
監修歯科医師
鹿児島明和院
社本 光央 先生
フッ素といえば、歯を強くする物質として有名ですが、使いすぎると体に害が及ぶという話もあります。
実際、フッ素の過剰摂取によって、急性中毒や慢性中毒の症状が現れることもあるくらいです。
そんなフッ素は、そもそも子どもに使って大丈夫なの?と心配されている親御さまもいらっしゃることでしょう。
そこで今回は、歯科医院で受けることができるフッ素塗布の安全性についてわかりやすく解説します。
▼フッ素は摂取しなければ安全
始めに、フッ素によって生じる健康被害について簡単に説明します。
フッ素の急性中毒や慢性中毒というのは、基本的にお口から体の中へとフッ素を取り込んだ場合に起きるものです。
具体的には、フッ素濃度の高い水道水を長年飲んでいたり、フッ素洗口用の溶液を大量に飲み込んだりすることで発症します。
ですから、フッ素を歯の表面に塗る「フッ素塗布」では、そもそもフッ素の急性中毒や慢性中毒が起こり得ないといえるのです。
▼フッ素ジェルを飲み込んでしまう危険性は?
とはいえ、フッ素塗布で使用するフッ素ジェルを誤って飲み込んでしまうと、急性中毒を起こす可能性が高まります。
ですから、フッ素塗布というのは歯科医師や歯科衛生士といった専門家が行うのが一般的となっています。
実際、歯科医院では専門家が用法用量を守って行っているので、歯科医院で行うフッ素塗布によるリスクは急性症状が現れるリスクもほとんどありません。
▼歯に対して害はないの?
歯科医院で受けるフッ素塗布が安全であることはわかっていただけたかと思いますが、歯に副作用はないのか不安に感じている人もいらっしゃるかもしれませんね。
確かに、歯に対して過剰にフッ素を作用させると、場合によっては歯の変色などにつながることもありますが、歯科医院で受けるフッ素塗布ではまず起こり得ません。
一般に「歯のフッ素症」(斑状歯など)は、高濃度のフッ化物飲料水を長期にわたり摂取すると発症することがあると言われています。むし歯予防のためのフッ化物利用によって、ヒトの歯や骨以外の組織になんらかの変化や障害が現れたという証拠はありません。
▼虫歯を予防する効果は非常に高い
ここまでフッ素の安全性について解説してきましてが、最後に虫歯の予防効果についても簡単にふれておきます。
フッ素は歯の再石灰化を促し、歯質を強化する働きがあることから、虫歯になりにくい強い歯を作ることができます。
ですから、歯が発育途上にある小さなお子さまも、出来る限りフッ素塗布などを受けて、虫歯予防に努めましょう。
▼まとめ
このように、ママとこどものはいしゃさんで受けることができるフッ素塗布は、健康被害が起こるリスクが少なく、虫歯予防効果は極めて高くなっています。
定期的にフッ素塗布を受けることで、お子さまのお口の健康をしっかり守ることができますよ。
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