[ 歯科トピックス ]

2022年9月5日

糖尿病や心筋梗塞も?全身疾患と歯周病の関係性について

最近の研究で、歯周病およびその原因である歯周病細菌が、糖尿病や心筋梗塞といった全身疾患と関係していることがわかってきました。

今回は、歯周病が関係する全身疾患にはどういったものがあるのかについてお伝えしていきます。

糖尿病とは

歯周病とは、歯周病菌を原因として、歯肉や歯の周囲の骨を弱らせていく病気です。

初期の歯周病は、痛みや腫れなどの症状がないため、軽度の歯周病の方も含め30代以上の日本人の約8割が歯周病というデータもあります。

歯周病は、感染症であり、歯周病菌や歯周病菌を原因とする炎症性物質が血流に乗り全身に広がることで様々な病気を同時に引き起こすと言われています。

糖尿病と歯周病は関係がある

歯周病は糖尿病の合併症の一つと言われています。

実際に疫学調査において、糖尿病の人は、そうではない人に比べ、歯肉炎や歯周炎にかかっている人が多いという結果が数多く報告されています。

さらに近年では、歯周病になると糖尿病の症状が悪化するということもわかっています。

この事柄より、歯周病と糖尿病は相互に影響していると考えられるのです。

なぜ歯周病と糖尿病が関係あるのか?

歯周病菌が糖尿病にどのように影響しているかといいますと、歯周病菌は歯肉の腫れた部分より、血管内に入り込み、全身に回ります

血管に入った細菌というのは体の免疫力によって死滅はしますが、歯周病菌の死骸が持つ内毒素と呼ばれるものは、そのまま血管内に残り、脂肪組織や肝臓からのTNF-αの生産を促進させます。

このTNF-αは、血液中の糖分の取り込みを抑える働きもあるために、インスリンという血糖値を下げるホルモンの働きを阻害してしまいます。

インスリンの働きが阻害されてしまうと、血液の中が糖だらけになります。糖が急速に増えると、血管の内側から活性酸素とよばれるものが発生し、糖が血液で渋滞し、活性酸素が血管を破壊します。

これが糖尿病合併症と呼ばれるものです。

心筋梗塞・脳梗塞と歯周病の関係性

心筋梗塞とは、動脈硬化により、心筋に血液を送るための血管が狭くなってしまったりすることにより、血液供給ができなくなり、死に至ることがある病気です。

今まで、動脈硬化は、不規則な生活習慣やストレスが主な要因であるとされてきましたが、実は、別の理由として、歯周病菌などの細菌感染が影響しているとわかってきました。

歯周病菌が、腫れた歯茎から血管内に入り込み、血管を刺激することにより、動脈硬化を誘導する物質が出て、血管内にプラークと呼ばれるものが出来、血液の通り道を狭めます。そのプラークが剥がれて、血の塊できると、その付着していたところで血管が詰まったり、もしくは血管内を移動し、別の細い血管で詰まったりします。この現象が心筋付近で発生することにより、心筋梗塞となるのです。

脳梗塞は、上記のプラークが剥がれた時の血の塊が、頸動脈といった太い血管などから脳血管に到達し、脳で起こることを言います。統計によると、歯周病の人は歯周病ではない人に比べ、2.8倍脳梗塞になりやすいという報告があります。

こういった、動脈疾患の予防のためにも口腔内のケアが重要です。

歯周病を予防することで全身疾患も予防できる

30代の3人に2人とも言われる「歯周病」ですが、歯周病は予防できます!

歯周病を予防するためには、毎日の口腔ケアはもちろん、定期的に歯科医院でのメンテナンスが大切です。

また、初期の歯周病は症状がないため、多くの方は自分が歯周病になっていることに気づいていません。

命にかかわる大きな病気になる前に、歯科医院で検診を受け、きちんと予防していきましょう。

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